高校演劇資料室

高校演劇に関するさまざまな文書を紹介します。



著作権の問題について考える

著作権に関するページへのリンクです

社団法人著作権情報センター
著作権サポートセンター
JASRAC
日本ビジュアル著作権協会

-----------------------------------------------------------------------------
大阪府高等学校演劇連盟加盟校に配られた文書です。

 

知的所有権(著作権)を尊重しよう

                           1997年10月
                        大阪府高等学校演劇連盟常任委員会
   共愛学園高校の作品を巡る問題

 昨年度および今年度の高校演劇全国大会で上演された作品について、知的所有権(著作権)をめぐる問題が起こりました。
 関東地区代表として全国大会に出場して優秀賞を受けNHKBS放送でも放映された、共愛学園高校による『KANATA』およぴ『RAIN DANCE』をめぐる問題でした。これらの作品は共愛学園演劇部作の創作劇として上演されて高い評価を得たものでしたが、実は劇団「かもねぎショット」のいくつかの作品の設定、展開、キャラクター、ダンス振り付けと、影響という以上の共通点のあることが明らかになりました。BS放送で『RAIN DANCE』が放映された際、「一部を削除しました」とのテロップが出たのを覚えている人もいると思いますか、実は、明らかに著作権を侵害していると認められる部分を削除して放映されたのでした。この問題は地元新聞でも大きく報道され、共愛学園およぴ同校演劇部は賞を返上し関係諸方面に文書で謝罪し、その文書を公表するといった大きな問題になったのでした。
                    
   私たちはどう受け止めるべきか    

 共愛学園高等学校の作品のついてのこの問題は、私たちとしても深く学ぶべき多くの課題を突き付けています。演劇の台本を上演する場合に著作権者(プロ、アマを問いません)の上演許可を得ることはほぼ徹底して来ていますが、小説、漫画などからそのキャラクターや展開を借りたり、ダンスの振り付けを真似したりすることについて、その著作権者の権利を尊重するという点では、まだ不十分なものがあると思います。
  私たち願間や生徒が台本を書き、演出する場合、自分たちの心を打たれた作品の模倣から始まるのはある意味では当然の事ですし、一切模倣のない創作が存在するのかといった疑問も湧いて来るでしょう。しかしその際、自分たちの心を打った作品と作者に対する敬意を忘れてはならないこともまた言うまでもありません。その気持ちが著作権者の許可を得るという行動の精神的な基盤になっています。
 これまでも、創作脚本として審査員の講評で絶賛された作品について、「あれは○○という漫画とおんなじだ」といった指摘をあとで受けることが決して少なくありませんでした。書物やヴィデオテープの形で出版されている作品については指摘を受けて調べることも可能ですが、上演されただけの作品についてはその上演を見た人以外には確認のしようもありません。作者自身の良識を期待する次第です。

   全国高等学校演劇協議会からの通達

10月6日付けで全国協議会から「著作権の扱いについて」の通達がありました。
その主な点を以下に抜き書きします。
                       
1創作脚本とは、あくまでも上演校顧問、あるいは生徒の創作であることを条件とする。
2 創作、脚色作品について、引用もしくは参考にした著作物(小説、映画等)がある場合には、当該著作権者の許諾を得て、その旨明記すること。 
 (題名の場合 ○○作「○○○○」より○○脚色「○○○○」)   
3 既成作品を上演する際は、上演する台本についての許諾を著作権者に得ること。(台本をカットする等変更部分があれば、著作権者に許諾を得ること。)
4 振り付けについても著作権は存在するので留意すること。また舞台美術、衣装についても、知的所有権の存在するキャラクターを使用する際には、著作権者に許諾を得ること。 く登録商標、著作権登録あるもの等)以下略

 個々のケースについては微妙な場合もありますし、さらに研究すべき点もあります。台本のカットについては、大阪府の連盟から、全国協議会として上演時間の制約から1時間以内に収まるためのカットを了解していただきたい旨の要請を、劇作家協会に対して行ってもらう働きかけを行います。
先行作品から影響を受け、場合によっては真似をするところから作品づくりが始まり、やがては自分ならではの作品世界を作り出すまでに至るのは生徒・顧問を問わない作者の成長過程なのですから、著作権(知的所有権)問題に配慮するあまり萎縮してしまわないでください。しかし、自分の借りた、あるいは参考にした作品と作者への敬意の具体的な表われとして、上の通達を参考にして許可を求めることだけは忘れたくないものです。
 なお、著作権はその作者死亡の翌年から50年間有効です。(著作権法第116条)

  創作脚本の作者名明示のお願い

 少しずつ数が減ってはいますが、まだ「演劇部作」という作品がかなりあります。部員全員による集団創作という場合がない訳ではありませんが、多くの場合、特定の部員や願問が全体のまとめをしたり、作品の基本的な骨組みを書いたりしています。
 そのような場合、創作にあたって中心的な役割を果たした人の固有名飼(複数の場合もあります)で作品を発表してください。生徒の書いた作品を顧問が手直し(その逆の場合、生徒同士の場合もある)した場合、「○○作 ○○補作」のようにして発表してください。プログラム原稿送付時点では作品が完成していないので「演劇部作」とせざるを得なかった場合は、地区大会の時に訂正した作品名を届け出てください。