題:「陽気な死神」 府立三国丘高校 1年 YMさん(男子)

A 「・・・・・・どうしよう。」

B 「・・・・・・A、おまえこれが何度目のどうしようか、解ってるか?」

 

しばし、間

 

 A 「知ってるよ!もう19回目だよ!素数だよ、素数!しかも19って不吉な数なんだよ!

   知ってた?」

 B 「A、おまえはそんなだから不幸の手紙なんか真にうけるんだよ!」

 A 「・・・・・・だって、あれ今日の午前6時6分66秒までに19人に出さないと

呪われるって・・・・・・。」

 B 「だからってそれ思い出して草木も眠る丑三つ時にポストまでわーわーなきながら速達の

手紙を出しに行くか?!おれにまで切手代借金して、全くどうするつもりなんだよ!」

 A 「・・・・・・兄ちゃん、僕が呪われて死んじゃってもいいの?」

 B 「大丈夫だって、6時はとっくに明るいだろうし、明日は快晴だって・・・・・・。」

 A 「嫌だよ、死神は朝も昼も夕方も夜もいつでも出てくるもん!」

 B 「・・・・・・守ってやるから安心しろ・・・・・・。」

 A 「・・・・・・わーん!ありがとう、兄ちゃーん!」

 B 「ったく、泣くなよ!もう来年で小学校も卒業だろう?いい加減甘えたマネは・・・・・・。」

死神C「は・っ・け・んーーー!みぃつぅーけたっと♪」

 

どう考えても寒い間

 

 C 「ちょ、ちょっと何よ!少しはきゃーとかわーとかおっしゃいっ!」

 

AとB、Cを無視

 

 B 「さ、さぁ、変なところにきたみだいだな。早く帰ろうぜ・・・・・・!」

 

AとB、走って逃げる

 

 C 「お待ちっ!せっかく来てあげたのに何よっ!それがお客様に対する態度?!

   どんだけぇぇぇぇ!!!!」

 

C、  それっぽい走り方で追いかける

 

 A 「ねぇ、兄ちゃん、さっきのって、死神かな?」

 B 「かもな、でもまさか本当に死神がいるなんて・・・・・・。」

 A 「でも、死神って、あんな妙なオカ・・・・・・。」

 C 「あと一文字おっしゃってご覧なさい!アンタの首をちょん切るわよ!」

 A 「は、速い!」

 B 「いつの間に!」

 C 「死神をナメなさんな!兄弟そろっていい男だからって、何でも許してはあげないわよ!」

 

Cカマを取り出す

 

 B 「・・・・・・ダジャレ?」

 A 「あ、あの・・・・・・。もしかして、僕を?」

 C 「安心おし。私はアンタを殺しにも、食べにも来たわけじゃないんだよ。」

 B 「じゃ・・・・・・。なんで・・・・・・?」

 C 「弟くん、たしかAとかいったわね?」

 A 「な、なんで僕の名前を?!」

 C 「知ってるわよー。いちおー死『神』様だもの!神よ、女神よ、ゴッデスよー。」

 B 「どこがだよ。」

 

C カマをふりおろし、ドス声で

 

 C 「あんちゃん、もっかい言うてみろ。血のイリュージョン見たいんか?えぇ?」

 B 「・・・・・・すいません、死『神』様。」

 C 「あーら、物分りがよろしい。弟君も律儀だし、来てよかったわ。

   それじゃ本題に移りましょうか?」

 AB 「は、はいっ!」

 C 「最近世界にあまねく広がる犯罪、犯罪、犯罪。地獄人口調整委員会は、

   悪人に不幸の手紙をばらまいたの。返信がなければ即死刑ってね♪」

 B 「えげつなっ・・・・・・。」

 C 「おだまり。ところが今回、ミスがあってね。善良なアンタ達2人のところに手紙をよこして

   しまった。

 A 「昨日来たばかりで、しかも夕方に・・・・・・。」

 C 「ところがアンタはちゃんと19枚手紙を書き、しかも速達で返信した。私は・・・・・・、

   カンドーしたっ!」

 AB 「ふるい・・・・・・。」

 C 「・・・・・・失礼。とにかくこのことを委員会のお偉方に審議したらね、是非とも表彰

   したいとのことで、」

 B 「ここまで来た、というわけですか・・・。」

 C 「そのとおり。」

 A 「で、なんなんですか、その『賞』って。」

 C 「・・・・・・あたしはアンタ達の願いをひとつだけ叶えてあげるわ。」

 AB 「ほんとに?!」

 B 「じゃ、じゃあ、デスノートは?」

 C 「ムリよ。生死を分けるものはダメ。エンマ帳は持ち出し禁止。」

 A 「じゃあ、パパとママ!」

 C 「・・・・・・残念だけど、死人は生き返らせてはいけないの。仮に呼び出したとして、

   もう別の命に生まれ変わってるわ・・・・・・。」

 B 「案外制約多いんだな・・・・・・。」

 C 「まあね。切実な願いほど、叶えられない・・・・・・。」

 A 「・・・・・・じゃあ、不幸の手紙を出された悪い人たちを助けてあげて!」

 C 「だっ、だめよっ!それだけはムリ!」

 B 「いくら神様でも、人を殺すのはよくないと思うけどな。」

 A 「じゃ、せめて、改心させるきっかけを与えてあげてよ。」

 B 「そうだよ、裁くなら明日でも・・・・・・。」

 C 「・・・・・・わかったわ。少しだけ待ちましょう。さ、急いで委員会で承議しないと・・・・・・。

   あ、罪を犯しそうになったら、すぐに殺るからね?」

 AB 「わかった!」

 C 「・・・・・・早く家にお帰り。夜が明けるわよ。」

 

C、それっぽい歩き方で立ち去る。

 

 A 「あ、太陽が昇るよ・・・・・・。」

 B 「改心、してくれるよな。」

 A 「絶対してくれる!僕、そう思う!」

 B 「・・・・・・だよな。」

 

コメント:「承議」とはどういう意味でしょうか?「審議」のことですか。観客に通じることばで

言い換えたほうがいいでしょう。台詞のやりとりは上手です。この後ドラマを展開させる

ことが可能です。キャラクター設定をしっかりさせ、AとBとの対立関係だけでなく、

AとCが組んだりさせてドラマを作っていけば面白い作品になる可能性もあります。

ただ「死神」というような非現実的な設定にこだわらず、AやBの日常の現実的な設定と

からめて行くことで、話を深めるようにすればいいと思います。